こんにちは、関です。先週末ポスタルコの展示会(渋谷)帰りに、渋谷アップリンクで映画「ふたりのイームズ」を観ようと思いたち、ポスタルコ階下のブックカフェFlying Booksで道順を聞いたところ、カウンターに座っている男性が「僕、今日そこでトークショーやるんだよ」との事。名前を伺ったらロバート・ハリスさんでした。東京では普通に出会えるんですね、業界の方に・・・。
インテリアで一番好きな分野は照明です。照明器具よりも照明分布(どのように周囲を照らすか)に興味があります。自宅は天井だけでなく様々な位置(高さ)に照明を配置する北欧式にしています(通称:アアルトシフト)。夜の長い北欧において照明は家の中で快適に過ごす為の重要なツールとして考えられ、食事する為、読書をする為、などと適所に照明を配置するそうです(「かもめ食堂」情報)。因みに日本では長年、昼白色の蛍光灯で部屋を均一に明るくすることが一般的だったようです(通称:パルックシフト)。気象衛星から夜の地球を撮った写真をみると日本だけが突出して明るいそうです。笑えませんね。
以前、照明の勉強をしていた頃、先生の勧めで「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」を読み、「暗さの中に日本の美がある」ことを学びました。以来、家の中はかなり暗いことになっています。未だ自宅の中に「日本の美」は発見できませんが、落ち着くことは確かです。
光源はやはり白熱灯が好きです。省エネが叫ばれている中、家庭において白熱灯は絶滅の方向にありますが、調光すれば消費電力が抑えられ、電球の寿命も飛躍的に伸びるということはあまり知られていません。白熱灯は電球内部にあるフィラメントを加熱して光ります。それは火の明かりに近いですのでなにか落ち着きます。また演色性が良いのでモノの色を忠実に再現します(りんご本来の赤を映す)。自宅にある照明をすべてLEDにするのではなく、1台くらいは白熱灯でも良いと思います。
自宅ではflameのスタンドを使っています。flameは兵庫県芦屋にある孤高の照明小売りメーカー。しっかりとしたコンセプトのもと丁寧に製品作りをしています。これに家庭用調光器(ルートロン社のクレデンサ)を合わせて使用しています。あまり普及していませんが、調光器はとても便利な道具ですので1個あると重宝します。
しかし究極の照明はなんといってもお月様ではないでしょうか?砂漠に光る満月の明るさは0.2ルクスあるといいます。目が慣れてくれば周囲がはっきり認識できる程度の明るさです。いつか砂漠で満月を体験してみたいものです。(終)